本日は細谷功(ほそや いさお)著「具体⇄抽象」トレーニングを要約していきます。
「具体⇄抽象」とはその名の通り、具体化と抽象化をいったりきたりする思考法です。
この思考法は様々なシーンに有効で、特に「問題解決」と「コミュニケーション」の分野で力を発揮します。

アナコンダ⇄ヘビ⇄爬虫類⇄動物
問題解決において具体と抽象は、問題を発見し解決に導いてくれます。具体的な事柄を抽象化することにより、問題の本質をとらえることができるからです。
ゆえに抽象化力のある人はあらゆる問題を具体化し解決していくことができるのです。
コミュニケーションにおいても「いまどこの話をしているのか」をマッピングし共有することにより、無駄な議論が減り、円滑なコミュニケーションが可能となります。
こちらの本では29問の演習問題を通して、この「具体⇄抽象」の思考法がトレーニングできるようになっており具体的な方法について丁寧に説明されています。
「具体⇄抽象」の思考回路が身につけば、「自分の頭で考える力」が格段にアップします。職場やチームで同じ思考法を共有すれば、仕事の生産性がグッと上がります。
具体⇄抽象トレーニングを要約
抽象化って何
抽象化とはWhyを問うことであり、メタ視点(俯瞰)
で考えることです。具体化とはHowを問うことであり、数字と固有名詞に変換することです。
手段から目的を考えるのがWhyであり、目的から手段を考えるのがHowということになります。
抽象世界が見えている人、見えてない人
抽象の世界が見えている人は、具体の世界も見ることができますが、具体の世界しか見えない人は、抽象の世界が見えません。
具体→抽象で問題解決
「具体→抽象→具体」と、抽象化と具体化を組み合わせることにより、表面的な問題だけでなく、本質的な問題も解決できるようになります。
ななめ読みした感想
ロングセラー「メタ思考トレーニング」の姉妹本。メモの魔力も具体と抽象もそうなんですけど、やっぱり抽象化の部分が難しい。自分がいかに具体の世界しかみていないかがわかる。
でもこちらの本は
「目覚まし時計」「懐中電灯」「旅行代理店」「カメラ」「お金」の共通点は?
「自動車の座席」と「年末に配られるカレンダー」の共通点は?
となぞかけのような例題が用意されているので、腹に落ちやすい印象でした。
ビジネス寄りですが転用すれば日常でも色々使えそう。
細谷功(ほそや いさお)
ビジネスコンサルタント、著述家。
1964年、神奈川県生まれ。
㈱東芝で技術者として勤務の後、アーンスト&ヤング、キャップジェミニ等での欧米系コンサルティング経験を経て2012年より㈱クニエ コンサルティングフェロー。
問題発見・解決や具体⇄抽象等の思考力に関する講演や研修を国内外の大学や企業などに対して実施している。
著書に『地頭力を鍛える』『アナロジー思考』『問題解決のジレンマ』(いずれも東洋経済新報社)、『「Why型思考」が仕事を変える』『メタ思考トレーニング』(ともにPHP ビジネス新書)、『なぜ、あの人と話がかみ合わないのか』(PHP文庫)、『具体と抽象』(dZERO)などがある。
コメント