「頭にきてもアホとは戦うな!」というセンセーショナルなタイトルの後に続く、「人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法」というサブタイトル。
思わず気になって手にとってしまうひとも多いのではないでしょうか。
困った人というのはどこにでもいるもので、職場だけではなく、日常生活の中でも「アホ」と戦わなくてはならないような場面に遭遇してしまうことはありますよね。
ではそのような人が目の前に現れてしまった場合、どのように行動したらよいのでしょうか。
著者によると「決して戦ってはならない」というのが大前提なんだそうです。
そしてできれば合気道のように、相手の力を利用して上手くことを運ぶ方策を考えるべきと説明しています。
相手の力を利用して他の力を生み出すというところに、ただ逃げたり、諦めたりするのとは違う、不戦勝のような感覚を味わうことができます。
そのためには、一時的な怒りに身を任せることなく、一呼吸置いて対処策を考えて、相手を思い、尊敬しながらじっくりと対処していく必要があります。
運悪くアホと遭遇してしまい、たとえ相手が明らかに間違っていたとしても、怒りに任せて殴りかかるのではなく、本書を読んで冷静に対処策を練ってみてはいかがでしょうか。
「頭にきてもアホとは戦うな」要約
アホとはどんな人物?
本書で想定するアホとはどんな人なのでしょうか。
それはあなたがわざわざ戦ったり、悩んだりする価値のない人物で、深層心理ではあなたのことが気になっていたり、好きだったりする可能性もあります。
アホと戦う可能性の高い人
次のような方はアホと戦う可能性があるため、あらかじめ対処策を考えておきましょう。
- 正義感が強い
- 自信家
- 責任感が強い
- プライドが高い
- おせっかい
自分主体の人生を送る
「死ぬ瞬間の後悔」のトップは「他人の期待に応えようとするのではなく、自分が本当に生きたいと思う人生を生きたかった」ということだそうです。
それゆえ、自分主体で信念を持って生きることが大切です。
「頭にきてもアホとは戦うな」感想
アホというと言い方が悪いんですけどね。困った人達には自分の貴重な時間を一秒たりとも使ってはいけないということがよくわかりました。
たとえ身に覚えのないことを言われたとしても、相手が間違っていたとしても、それを一生懸命訂正しようとしたって、残念ながらその人の頭の中は変えられないのです。
相手に最もダメージを与える方法は鉄槌を下すのではなく、相手からの攻撃を無効化、吸収すること。
そして忘れてはいけないのは、自分にその気はなかったとしても相手を傷つけてしまっているケースもあるということ。
買い物カートで足を踏まれて「すみません」の一言もなかった時、痛みと苛立ちを感じますが、踏んだ方は踏んだこと自体を認識していないことだってあるのです。
何かわからないけど、いつかどこかでこの人に嫌な思いをさせてしまったことがあるのかもしれない。と一歩下がるだけで、不戦勝がさらに確実なものになると思います。
著者
田村 耕太郎
日本戦略情報支援機構代表取締役、国立シンガポール大学リー・クワンユー公共政策大学院兼任教授。前参議院議員(鳥取県選出、2期)。
第1次安倍政権で、内閣府大臣政務官(経済財政・金融・地方分権担当)をつとめる。元参議院国土交通委員長。前大阪日日新聞代表取締役社長。エール大学、ハーバード大学、ランド研究所でも研究員を歴任。早稲田大学、慶應義塾大学大学院(在学中にフランス高等経営大学院に単位交換留学)、デューク大学法律大学院、エール大学経済大学院を各修了。オックスフォード大学AMPおよび東京大学EMP修了
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